良い人材を採用するには? 小さな会社の人事採用のコツをテレ・マーカーがお伝え!

2021年1月6日小規模法人

大企業、中小企業、零細企業に関わらず、採用は人事部のみならず、「企業」の永遠の課題とも言える重要なプロジェクトの1つです。また、“失敗例”を語る人事担当者は少ないもので、それもそのはず、多くの企業にとって、失敗例とはなるべく隠しておきたいネガティブな情報。それを語るなどもっての外だというのが一般的な考え方でしょう。
ですが、普段は語られることのないその情報にこそ、採用成功のヒント「良い人材を採用する秘密」は隠されています。なぜなら、失敗の原因を分析することで、その企業が採用において抱えている課題が浮き彫りになるからです。
まずは、よくある失敗にある例から
◆採用者の質を重視したい◆
または
◆採用数を重視したい◆
この2点を決めないで、ただ求人を出すということは、達成難易度が通常より高くなり、採用困難を極めますので注意したいところです。
このように、採用における失敗談と学びをご紹介したいと思います。

No.1 大企業に勤めていた人を採用したら、全く力を発揮してくれなかった

【求職者プロフィール】

35歳男性。ITベンチャー大企業に勤務。この道10年以上の大ベテラン。

「失敗事例」過去に大企業出身の営業を採用したときでした。
「前職では企業トップレベルの成績を収めていました」と、話していたこと、人当たりも非常によく、いわゆる営業マンだったので、すごく期待していたのですが、実際に働き始めたら、なかなか成果を上げてくれないだけではなく、不満を漏らすことが多くなりました。
具体的には、「社内の教育制度が整っていないから、仕事の仕方を体系的に学ぶことができない」とか「担当する業務の幅が広すぎて、自分の得意なものに集中できない」とか「前の会社は、前のお客様は」と何から何まで比較する言動が出てしまい・・・。何度か説得はしてみたのですが、会社の風土が合わなかったのか、やる気をなくしていって成績を上げることができず、結局は半年で辞めてしまいました。

大企業で活躍していたはずのその人が、場所が違うと今一つ力を発揮できなかった。その原因は、私たちのようなベンチャー中小企業と大企業とは、文化が全く異なっていることから、その文化の違いが合わなかったのかなと思いました。
大企業の場合だと、既に様々なルールが作られており、部署ごとの仕事も明確に分けられています。それに、社内の教育制度も整備されている。だからこそ、仮に本人が受動的な性格だったとしても、大きな問題を起こさない限りは仕事をしていける。

一方、ベンチャー企業の場合は、会社の仕組みやルールがほとんど整っていない場合が多い。だからこそ、待ちの姿勢ではいつまで経っても仕事を覚えることはできません。混沌とした状態の中で上手くやっていけるスキルが必要になってくる。このスキルを持った人は、同時に「ヒューマンスキルの高い人」であり、その能力の有無は、採用面接の際に「5年後、10年後先の未来に対して、明確なキャリアプランを描けているか」を確認するのは、そのスキルの有無を測るために有効な手段だと感じています。それを持っていて実行をしている人は、たとえ逆境や困難に突き当たっても上手く乗り越えてくれることが多いと思われます。

<人材採用で学んだこと①>

大企業で活躍していた人材でも、ベンチャー企業で活躍できるとは限らない。
まだまだ発展途上の社内体制の中でも活躍できる人材かどうかは、明確な自身の未来キャリアプランの有無で見分けられる。

No.2 採用したエンジニアが、たったの3か月でより好条件の会社に転職した

【求職者プロフィール】

30代男性。大手IT企業に勤務。エンジニア歴1年

中途でエンジニアを1名採用する必要があったので、何名かと面談をしました。その中で、2名のエンジニアが採用候補として挙がったんです。1人目は、会社が必要としているプログラミング言語のスキルを持った人でした。けれど、会社の目指すビジョンには全く興味がなかった。この人をAさんとします。
2人目は、プログラミング言語のスキルとしてはマッチしていなかったのですが、ビジョンに対して深く共感してくれた人だったんです。こちらはBさんとします。

両者のうち、最終的には、開発部署のリーダーから「技術力のない人を現場に入れるわけにはいかない」という意見が挙がり、プログラミング言語のスキルを持ったAさんを採用することにしました。しかし、採用のなんと3か月後に、より給与の条件が良い会社に転職してしまったんです。
それは……。もちろん、Bさんを採用していたら成功した保証はどこにもありません。でも、少なくともすぐに会社を離れてしまうようなことはなかったのではないかと、当時はすごく後悔しました。

その失敗の原因は、私自身が、会社自体が、そのエンジニアの持っている価値観を全く把握できていなかったことにあったのかなと思います。具体的には、「この会社でどんなことを達成したいか」「何のために働いているのか」「どんなことに力を発揮してくれるのか」といった部分を深掘りしておけば良かったと思います。今の案件にできる人を採用したい、、、、、と、当たり前のことなのですが、その人とのマッチングは非常に重要なことであるし、収入や役職などを重視する人の場合、より良い条件の企業があればそちらに移ってしまうリスクが常につきまといます。ですが、会社の持つビジョンや風土を重視する人は簡単には転職しません。企業文化というものはそうそう変わるものではないからです。だからこそ、思いを共有してくれる人かどうかを面接のときに確認しておく必要があると、その一件から学びました。

<人材採用で学んだこと②>

会社の持つビジョンや風土に共感してもらえなければ、転職リスクは常につきまとう。その人の持つ価値観を、その分野での一般的な求職者の動きと、世の中の動きを、面接時に把握しておく必要がある。

No.3 採用した新人が周囲と上手くコミュニケーションを取れず、潰れてしまった

【求職者プロフィール】

20代男性。中堅人材派遣企業に勤務。人事の仕事には最近ようやく少し慣れてきた。

ある年の新卒採用です。採用後、4月から新人たちが入社して各部署に配属された後、ある新人だけがどうしても部署の先輩や同僚と上手にコミュニケーションを取れずにいました。それが原因で、仕事のスキルもだんだん伸び悩むようになってしまったのです。わからない部分があっても他のメンバーに確認を取らずに我流でやってしまったり、ミスをしても隠ぺいして後から大問題になったり。最終的には、会社で働くことが苦痛になったようで、退職してしまいました。
その新人が上手にコミュニケーションを取れなかった原因は、その新人がコミュニケーションを取れなかった事実を把握できていなかったことだと思います。もし、その事実を早くに感じていたら、配属部署を変えたり、相談役を置いたりして改善できたかもしれません。ただ、その人は、複数のメンバーとの関係が上手くいかなかったので、ちょっと酷な言い方をすると本人の適性にも問題があったのかもしれないと思っているのもまた事実です。なぜかと言うと……。
採用の際にチェックしている「これだけは必ず持っていてほしい」というベーススキルがあります。例えば、「性格が素直」とか「周りの出来事に対する感受性が豊か」とか「論理的思考ができる」とか。そのスキルが不足している人は、基本的に採用しないようにしています。
しかし、その年は優秀な新卒の人数が少なくて、採用目標の人数に足りなさそうだったので、少し甘い基準で新人を採用してしまいました。採用した中の、「基準ラインに足りていなかった人」が、まさに先ほど話した新人だったのです。
最低基準を下げたことの弊害が見事に表れてしまったと今は感じています。
目標人数に到達しなかったとしても、基準となるベーススキルに足りていない人は採用すべきでなかったと思います。そのメンバーが辞めてしまったら、採用と育成にかかったコストだって無駄になってしまいますし、社内のモチベーションだって下がってしまう。何より、辞めてしまった人自身が一番苦しい思いをしてしまうでしょう。それは絶対に避けるべきです。

経営層や現場のリーダーに「なぜ目標人数に達していないんだ」と説明を求められることもあるかもしれません。けれどその際に、「どのような基準で採用をしたか」そして「その基準に達していない人を採用してしまうと、どのようなリスクがあるか」を論理的に説明することも、人事担当者の重要な役割だと思いました。

<人材採用で学んだこと③>

企業間の競争が激しくなっている今のご時世、たとえ採用目標人数に到達していなくても、基準となるベーススキル未満の人は採用すべきでない。
そして、どのような方針で採用活動をしたのか経営層や現場のリーダーに説明するスキルも、人事担当者には必要となる。

◆採用のミスマッチを回避する◆

人事と現場は連携して採用を進めなければならない

人事として自信を持って採用を決定した社員が、配属後すぐに退職……。
単に会社との相性が悪かったという場合もありますが、一方で、人事と配属先の現場との連携が不足していたために求める人材像がずれていたり、入社した社員を受け入れる態勢が不十分だったりと、ギャップが発生してしまっているケースも少なくありません。
結果として、それが入社した社員の会社に対する不信感や職場での疎外感を生みだし、誰もが望まない早期退職の原因となっているのです。さらには現場側から人事に対して不満が寄せられる可能性もあります。
中途採用における「人事と現場とのギャップ」が発生する原因と防止策は、採用活動を成功させるためには人事と現場が一体となることが不可欠です。

人事と現場の間で、採用に関する認識のギャップが起こる要因は主に2つあります。

これらをそのまま放っておくと、納得のいく採用ができないばかりか、早期退職にまで及んで思わぬコスト浪費にもつながってしまいます。

>>ギャップが生まれる要因①

現場の社員が採用選考にまったく参加していない

会社説明会から1次選考、最終面接まで、いくつかのステップに分けて採用選考を進めるのですが、しかし、そのすべてを人事主導で進めている、という状態は避けなくてはならないと考えています。
現場の担当者が関与しないところで採用活動が行われているとすれば、一方的に新入社員を受け入れるだけになる現場側としては面白いはずがなく、結果として、配属段階でトラブルが起きやすくなります。

>>ギャップが生まれる要因②

現場側に採用・育成に対する当事者意識がない

また、現場の社員が採用選考に参加していたとしても、採用・育成に対する当事者意識がなければ、選考段階は特に何も意見がなかったとしても、実際に配属されてから不満が出てくる可能性があります。
現場はもちろん現場の仕事で忙しいはずですが、「採用は最初から最後まで人事だけでやるものだ」と思われているようでは本当に求める人材を採用できません。人事は、良い採用をするには現場側の協力が必要であることをしっかりと伝えることが大切であり、目指すべき会社は、現場と人事が一体となって人材の獲得に力を入れていると思います。

現場とのギャップを生まないための4つの対策

具体的にどういった対策を打てば、人事と現場の間に生まれがちなギャップをなくしていけるのか。

1. 現場担当者も選考プロセスに参加してもらう

まず絶対にやっておきたいのが、採用選考のプロセスに現場担当者を参加させます。タイミングとしては、最終面接前1次2次選考の段階です。配属予定先の現場の人員を、最低でも1名は含めて、合否の判定をしてもらいます。

何らかの素養をテストする場合も、同じ仕事をする現場のメンバーのほうが、実際に必要とされる能力を適正に評価できるはずです。特に、ケースバイケースで1名ずつ採用を進めていく事例が多い専門職(技術職・SE・経理など)の選考では、合否の意思決定を思い切って現場に委ねたほうが上手くいくと考えます。
こうすることで、単に適した人材か判断できるだけでなく、いざその候補者が配属されたときに「自分たちで選んだ」という意識が生まれ、受け入れや育成に責任感を持たせることができるのです。

2. 各部署の実力者を見極め、事前に根回しをする

採用に関わってもらう現場担当者は、決して誰でもよいわけではありません。各部署において、選考に協力してくれそうな中堅〜責任者クラスの人。そして必ずその部署である程度の実力を持ち、かつ後進の指導育成に熱心な人を探し出します。
常日頃のコミュニケーションの場において、こうした各現場のキーパーソンを見つけ出し、事前に相談を持ちかけられるような関係性を構築しておくことも、また、採用の大事な仕事と言えます。そういった人員の有無で、現場を巻き込んだ採用がスムーズに進むかどうか決まる場合も多いのです。

3. 採用計画を現場と一緒に作り上げる

長い目で見ると、人事と現場の間に起きうる齟齬をなくすためには、採用の計画段階から継続的に認識合わせをしていくことが重要。その第一歩となるのが、予算策定段階での要員計画の作成です。
経営陣からトップダウンで降りてきた採用目標や採用計画を人事がそのまま細分化して現場へ落とし込むのではなく、面倒でもその逆をやります。つまり、現場から来期に必要な人員と予算案を作成してもらった上で人事が経営計画とすり合わせながら調整していくのです。
そうすると、完成した「採用計画」は人事だけのものではなく、人事・現場双方がコミットした共同目標となります。最初から同じ目標を持って採用を進めるので、ギャップは生まれにくくなります。

4. 現場担当者が採用イベントに参加する仕組みを作る

現場のメンバーは選考に立ち会ってもらうだけでなく、人事主導で取り組む全社的な採用イベント・採用活動にも積極的に巻き込んでください。長期的な認識のすり合わせを図れますし、より現場が求めるような人材との接点を生む可能性もあります。
例えば、中途採用者向けのイベントや合同企業説明会に参加してもらったり、現場のキーパーソンには採用媒体の取材などに出演してもらったりするとよりいいです。
会議室での話し合いでははっきり見えてこなかった人材像を見定めることができるかもしれませんし、求職者には貴重な現場担当者の声を届けることもできます。そして、こうした取り組みをひとつひとつこなしていくことで、確実に現場の社員に対して採用の重要性を認識させることにもつながるのです。

最も重要な事は「採用は現場を巻き込んで行うべきもの」

最終的な決定権は人事にあったとしても、採用された人材が実際に働くのは配属先の現場。人事・現場ともに納得いくような人材を獲得するためには、採用活動のあらゆる場面で現場の人員を巻き込み、会社全体で採用を進めていくことが大切です。

これは決して楽な作業ではなく、時には現場や経営陣を説得する必要があるかもしれません。しかし、採用の成功は、人事・現場の間に良好な関係が築けており、採用からその後の育成までしっかり連携できる対策から確実に実行して、より良い採用を目指していく必要があります。
企業にとって働く「人」を採用することの比重をどこに、どのようにおくのか、これを常に考えて行かなくてはいけない、永遠の戦いと言えるでしょう。

現場とのギャップを生まないための4つの対策

1. 現場担当者も選考プロセスに参加してもらう

2. 各部署の実力者を見極め、事前に根回しをする

3. 採用計画を現場と一緒に作り上げる

4. 現場担当者が採用イベントに参加する仕組みを作る